朝、最寄りの駅に向かう途中、
小さなサボテンのようなものが道のど真ん中にありました。
近づいてみると渋めの萌木色の手袋がちょこんと立っているのでした。
「手袋」と脳みそが認識したころには通り過ぎていたので
救出してあげることができませんでした。
ところで、もう少しいったところの家では飼われているわんこがいます。
仮に彼をたろうとします。
たろうは人見知りの雑種風の犬で
初めて会った頃はわんわんと吠えまくっていました。
しかしそのうち通り過ぎても吠えなくなりました。
通り過ぎるたびに目を合わさずチラ見されます。
しかしこの日のたろうさんは、なんと、
寝そべっていたのに私のほうに一瞬立ち上がって向かう素振りを
見せました。
さすがに人の家のわんこをたやすくわしわしするのも気が引けたので
笑顔を見せながら通り過ぎました。
次の日、たろうさんは近寄ってきませんでした。
しかし、チラ見されながら通り過ぎたあと振り返ると
たろうさんもこちらを振り返りました。
例のサボテンは誰かの手によって電柱目線くらいのでっぱりに
ひっかけられていました。
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